落語も個性化の時代…「土行」から「水行」へ!

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食とは「土行」、現実の大人社会です。

「グルメって自称するんだったら、東京の空気なんて吸うんじゃねぇ」

そう言ったのは、噺家の立川談志師匠そのひと。

何よりも海を愛した師匠だけに、東京の空気は気にいらなかったかもしれません。

さて、人は空気を吸い、食物を摂り、そこから「精」と言うエネルギーを得る、というのが東洋医学の考え方です。

そして、人は食物を摂らなければ生きていけないから、その糧を得るためにも働く。

食うために地に足をつけて働く…という「現実」は、東洋の自然哲学である陰陽五行でみるのならば、「土行」と言うエネルギー・グループに配当されます(図の黄色丸)。「地に足をつける」ことは、「土」に関連するからです。

人はこの「土行」グループのエネルギーのなかで、大なり小なり生きているものです。

多くの噺家さんも、例外ではありません。生活のために、ラジオやテレビと言う社会の枠組みの中で、芸を披露して生活の糧を得てきました。

「土行」とは現実であり、大人社会であり、安定を意味します。一方で束縛や没個性というマイナスの特長も併せ持つのです。「土」は育む一方で、腐らせる。

時代とともに落語も個性化…「土行」から「水行」へ!

さて今日、SNSの発達とともに起業する人が増え、会社組織に所属せずに生きていく人が増えています。自分らしい生き方を選択する人が増えていることは、私が今さら言うまでもありませんよね。

それはいわば「土行」の象徴である会社組織からの逸脱を意味しています。

落語家界もやはり同じ歩調をみせています。落語芸術協会等組織傘下の寄席(常設演芸場)だけでなく、音楽や芝居でも賑わう劇場やホール・公民館などで個性を発揮する、そんな噺家が若手を中心に増えています。

立川志の輔師匠(写真)の高座は、パルコ劇場(渋谷)でしばしば開催されていますが、チケットは即完売です。

立川志らく師匠は、シネマ落語という映画(洋画)をテーマにした落語で、渋谷の劇場を毎月満席にさせています。

テレビドラマ「下町ロケット」に出演し好評を博した立川談春師匠も、チケットを手に入れにくい落語家の一人です。

映画館と知られるユーロスペース(渋谷)では「しぶや落語」が、それまで落語に興味のなかった20~30代の若者を惹きつけ、リピーターを増やしています。若手の真打や実力のある二つ目がトリを取るなど、これまでの落語界のしきたりを覆したことが理由と言われています。

詳細はこちらの「YOMIURI ON LINE」をご参照ください。

落語界を含め、「土行」から「水行」の時代へ、個性化の波は確実に拡がっているのです。それは私の勝手な思い込みなどではなく、複数の識者が指摘している事。

その水行への移行の先鞭をつけたのが、冒頭の立川談志その人であったのではないでしょうか!?

彼は落語協会を脱退(1983年)して立川流を興し、以降は協会組織に頼らず、独演会で芸を披露してきました。

いわば落語界における「水行」のパイオニア。

【今回の参考文献】

単行本『「学問」のすすめ(だるまんの陰陽五行)』(堀内信隆著、三冬社刊)

立川談志ひとり会 DVD-BOX

 

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